Black=黒人
Lives=命・人生・暮らし
Matter=【名詞】考えなければいけないもの【動詞】大事であること
matter の意は少しわかりにくいですが、
「そんなの関係ねえ~。ハイ、おっぱっぴー!」の英語は、
”It doesn’t matter.” です。これを考えるとわかりやすいです。
matter を否定して「そんなの関係ねえ~」「重要じゃない」「どうでもいい」ですよね。
Black Lives Matterは、「黒人の命も大切だ」「黒人の命は重要、考えなければいけない問題」のような意味になります。
目次
Black Lives Matter=「黒人の命も大切だ」
略してBLMともいいます。
アメリカ全土や世界で人種差別反対のデモが起きています。そこで”Black Lives Matter”のプラカードを掲げる人を見かけます。”Black Lives Matter の背景を見てみましょう。
Black Lives Matterとは
Black Lives Matter=「黒人の命も大切だ」は、黒人の人種差別撤廃を訴える言葉です。特に警察の黒人に対する不当な扱いへの抗議に使われます。警察の黒人に対する不当な扱いとは、「警察官による黒人の殺人」「黒人への暴力」「組織的な人種差別」「レイシャル・プロファイリング (racial profiling=故意にアフリカ系アメリカ人やその他の有色民族に絞って捜査を行うこと) 」などがあります。
Black Lives Matterの始まり
Black Lives Matter=「黒人の命も大切だ」と人々が叫び、黒人への人種差別撤廃運動がおこったきっかけとなったのは、2013年のアメリカのトレイボン・マーティン射殺事件です。
トレイボン・マーティン射殺事件とは
トレイボン・マーティン射殺事件とは、2012年2月26日フロリダ州のサンフォードで黒人の高校生トレイボン・マーティンさん(17歳)が白人の自衛団(neighborhood watch)ジョージ・ジマーマン(27歳)に射殺された事件です。
neighborhood watch(自衛団)とは、crime watch または neighbourhood crime watchとも呼ばれ、近所の犯罪や破壊行為を予防し見守る人たちのことです。役目としては、近所の安心・安全のために住民を指導したり、犯罪行為が疑われるときには警察に通報するなどです。しかし、犯罪取り締まりに介入はしません。
マーティンさんは当時親戚のうちに遊びに行っていたのですが、マーティンさんと自衛団のジマーマンは口論となり、ジマーマンが武器を持っていない高校生のマーティンさんを射殺しました。その時ジマーマンは正当防衛として、罪に問われませんでした。
この黒人高校生の射殺事件のあと、Black Lives Matter「黒人の命も大切だ」として人権運動がSNSを中心に全米に広がりました。
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白人警察は無抵抗な黒人をひどい目に合わせる
白人警官による黒人殺害事件は、その後も米国でしばしば繰り返され、そのたびにデモをはじめとする抗議活動が行われてきました。
Black Lives Matter「黒人の命も大切だ」の運動は、特に白人警官による無抵抗な黒人への暴力をはじめとする人種差別の撤廃を訴えています。
2020年5月~全米と世界中でBlack Lives Matterのデモが起きる
2020年5月25日のミネソタ州ミネアポリスでの、黒人男性のジョージ・フロイドさんが白人警官によって約8分間にわたり首を膝で押さえつけられ、死亡した事件が起きました。
警官は、フロイドさんの「息ができない(I can’t breathe)」という訴えに耳を傾けませんでした。現場の様子を記録した映像がSNSで拡散され、「#Blacklivesmatter」とともに抗議活動が始まり、世界に広がっています。
現在警官のデレク・ショービン(Derek Chauvin) は逮捕され、第3殺人罪と過失致死で起訴されましたが、その後、Black Lives Matter 運動が全米だけでなく世界的にも広がり、デレク・ショービン被告は第2殺人罪、事件当時そばにいた他の警官3名も訴求されました。
“Fire answers fire”
Henry V (IV, 0) #ShakespeareSunday @MayorBowser #BlackLivesMatter pic.twitter.com/hlQw0de9aU
— Studio Beppe 💥 🎨 (@StudioBeppe) June 7, 2020
人種差別は世界的な問題で、Black Lives Matter の運動は、世界に拡がっています。
As a historian of social movements in the U.S., I am hard pressed to think of any time in the past when we have had two straight weeks of large-scale protests in hundreds of places, from suburbs to big cities. The breadth and scale of #Floyd protests is staggering. https://t.co/XdGUzgjgX9
— Tom Sugrue (@TomSugrue) June 6, 2020
Black Lives Matterに対抗する言葉としては、All Lives Matter や Blue Lives Matter があります。
All Lives Matter:「みんなの命が大切だ」
Black Lives Matterに対抗して、「黒人だけが大切なのではない。逆差別だ」という意向を強調している言葉です。黒人が差別されている現実がわかっていない言葉として、批判されることが多い様です。
Blue Lives Matter:「警察の命も大切だ」
Blue は警察を意味しています。2015年3月12日にミズーリ州セントルイス郡のファーガソンで警官2人が何者かに銃で撃たれけがを負いました。
この事件の少し前に、ファーガソンでは、白人警官が武器を持たない黒人少年を射殺する事件が起きていて、抗議のデモや暴徒が起こっていました。警察官はその最中に撃たれたとのことです。Blue Lives Matterは危険な仕事である警官の人権を主張するものです。