海外メディア The Guardianでは、日本政府の新型コロナウイルス感染症対策についての批判というか、冷やかしのようなことが書かれています。
緊急事態宣言を解除した日本。5月28日までに、感染者数
詳しく見てみましょう。
The Guardian 22 May 2020より
目次
海外メディアが冷笑する日本のコロナ対策とは
日本政府のコロナ対策について海外が冷笑するのは、
ダイアモンドプリンセス号での感染者隔離対応のまずさ
オリンピック開催の希望を捨てきれずにCOVID-19を、過小に評価していた。
検査数が少なすぎる。
日本の緊急事態宣言は、ヨーロッパのロックダウンとは違い「不要の外出を避ける」「家で働く」「ソーシャルディスタンスを守る」の要請で、消極的(timid )だ。
病院が軽症者や無症状者であふれるのを防ぐために、大規模な検査を行わずに、代わりにクラスター対策に重きを置いた。(法律で特定の感染症は、症状の有無に関係なく病院に収容しなければならない)
などを挙げ、「お金持ちの国の日本は、新型コロナウイルスの対応をしくじった。」としています。
One of the world’s richest countries was bungling its response.
※bungle :しくじる・素人っぽく行う・ぎこちなく行う・下手にする
その他にも、『アベノマスク』について、
「再利用できるマスクの配布は、物笑いの種(derision)になっている。国民がSNSで、マスクは小さすぎるとか汚かったなどとして写真を投稿している。安倍首相の経済政策「アベノミクス」になぞらえて「アベノマスク」とあだ名をつけている。」
The dispatch of two reusable masks to every household was met with derision, as people posted photographs on social media of the small, and in some cases dirty, “Abenomasks” – a play on the leader’s economic policy dubbed “Abenomics”.
※derision:物笑いの種・あざ笑い・冷笑・あざけり
と、なんとも辛口です。
しかも、マスクは、もうすでに東京の街頭に並んでいる。
Masks and hand sanitiser on sale at a street stall in Tokyo.
と、余計なお世話です。
海外が不思議がる日本のコロナ状況
日本は、緊急事態宣言を解除することができました。
そのことについて、日本は、韓国や香港、台湾などとは違うやり方で、例を見ないコロナサクセスストーリーを成し遂げたと言っています。
いずれにせよ、日本政府の対策はあまり褒めたものではないけれど、どういうわけか、感染者や死亡者が少なかったというのが世界の見方のようです。
But today, Japan can make a strong case for being another coronavirus success story, albeit one that has failed to resonate globally in the same way as those in South Korea, Hong Kong and Taiwan.
日本は、高齢者が多く人口も多いのになぜ感染者・死亡者が少ないのか?
記事では、日本はの人口が1億2千万人と多いことや、高齢者が多いのに、感染者と、死亡者が少ない。東京には、1千400万人もいるのに、新規感染者はここ2週間で40人を下回った。4月17日のピーク時の1日に新規感染者206人だったのに・・・と報じています。
感染が広まり始めた4月の初めの段階では、東京や日本の他の大きな都市が現在のように感染者を抑えることができるなんて無理だと思っていたと言っています。また、日本と違い韓国は、検査数が多い、感染経路の追跡をしっかり行う広く称賛されている政策(widely praised regime) であるとも述べています。
Achieving such low figures barely seemed possible in early April when, just as the number of cases began to rise sharply in Tokyo and other major cities, neighbouring South Korea – with its widely praised regime of testing, tracing and treating – was flattening the curve.
国民の習慣や文化が功を奏した?
日本政府のコロナ対策については、かなりの辛口でのべていますが、日本が余裕を残して、コロナをコントロールできたのは、昔から日本に息づいている習慣や文化のおかげではないかとしています。
例えば、
マスクは風邪のシーズンの冬や、花粉症(hay fever)の時期に普通につける。
握手やハグではなく、おじぎであいさつする。
一般的に衛生観念は高い。
家では靴を脱ぐ。
などが、日本の低い感染数を生んだ原因として挙げられています。
また専門家からは、
日本の国民皆保険制度や
低い肥満率( low obesity rates) や
肺炎を治療する専門性(expertise in treating pneumonia)を挙げています。
他にも、
免疫系のを高めると言われる「納豆」のおかげとか
日本語を話すときは、そんなに飛沫が飛ばないなどという
科学的にはっきりしないものまで、様々な計り知れない要因で、日本の新型コロナウイルス感染症対策が順調に進んでいるのだろうと書かれています。
そう言えば
日本のコロナ対策をバカにしたような記事でしたが、日本は、今のところは、感染者数・死者数を少なく抑えられています。
それが、失敗・へまをしでかした(bungle)と言われることの意味がわかりません。
緊急事態宣言を4月7日に安倍首相が出したことを、遅すぎたなどの声もあるようですが、果たしてどうなのでしょうか?
厳しいロックダウンが感染の抑制に効果があったのでしょうか?
今後も世界のニュースでいろいろと調べていきたいですね。