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Science & Health

下水からコロナウイルス検出し集団の感染状況を早期に知る

下水からコロナウイルスを検出することで、その地域の感染状況を素早く察知できるという記事についてもう少し詳しく調べてみました。

nature より

How sewage could reveal true scale of coronavirus outbreak

『どうやって下水はコロナウイルスの本当の規模を明らかにできるのか』

 

natureでは、下水からコロナウイルスを見つけて、感染対策に役立てる方法について

Routine wastewater surveillance could be used as a non-invasive early-warning tool to alert communities to new COVID-19 infections.

「下水の定期的な調査は、侵襲のない早期の警告ツールとして使われ、その地域に新型コロナウイルス感染を知らせる。」とあります。

どういうことなのか、見てみましょう。

下水の分析でコロナ発見・世界の研究機関で

世界中の研究者たちが、その地域全体で何人の人が新型コロナウイルスに感染しているのかを試算するために、下水の分析を始めたと記事にあります。そして、これまでのところ、オランダ(Netherlands)、アメリカ(the United States )、スウェーデン(Sweden)で下水からコロナを見つけることに成功しているとのことです。

新型コロナウイルスは尿や便にも排出・下水を調べればコロナ感染がわかる

まず、新型コロナウイルは、尿(urine)便(faeces)にも排出される(excrete)とのとことです。新型コロナウイルスの正式名称はSARS-CoV-2といいますが、もしも、その下水を使っている誰かに新型コロナウイルス感染者がいれば、そのウイルスのRNAが下水の中に混じっているというのです。

感染に気付く前にコロナウイルスは尿や便に出る

下水調査で早期発見

しかも、ウイルスが尿や便に排泄される(excrete)時期は、感染してから3日以内です。感染してすぐに糞便(faeces)から出ることが、下水(wastewater) からウイルスを調べることに意味を持たせます。

例えば、よく聞くPCR検査は、自覚症状が出てから、本人が検査場に出向いたり、他の感染者との濃厚接触が疑われた後などに受けるのですが、その時は感染してからすでにかなりの時間がたっているということになります。

しかし、下水の検査による(wastewater surveillance )ウイルスの検出は、その場合よりもずっと早い段階で、まだ感染者に症状が出ていない(no symptoms)段階で、その下水を使っている集団の流行の兆しをキャッチできると言うわけです。

感染報告前にコロナウイルスを下水から検出【オランダ】

実際に、微生物学者(microbiologist)のGertjan Medem)氏のグループは、感染が報告される前に、アメルスフォールト市(オランダのユトレヒト州)で新型コロナウイルスのRNAを下水から発見しています。

また、オランダが臨床試験を使用してCOVID-19の最初の症例を確認してからわずか4日後に、ティルブルフのスキポール空港の廃水中にSARS-CoV-2の痕跡を検出したことが述べられています。今後もオランダの研究者たちは、サンプリングをオランダの全12州と、確認された症例がなかった12の他のサイトの首都に拡大することを計画しているそうです。

 

 

集団のコロナ状況は大勢の尿や便が集まる下水処理場からわかる

コロナ対策では、どれだけの人が実際に感染しているのかを知ることが大事になりますが、無症状の人や症状が軽い人も含め全員を検査することは到底難しいですし、実際にどの国でも全員の検査は実施されてません。

しかしこの下水の調査からは、大集団の感染状況を知る可能性があります。

微生物学者(microbiologist)のGertjan Medema氏によると、下水処理場には100万人分の汚水処理場( treatment facility )もあるそうです。100万人分という大掛かりなサンプルを簡単に集められるのは下水しかないように思えます。

 

下水から新型コロナウイルスのRNAを検出できた国は?

下水の中からコロナウイルスを発見できているのは、オランダ、アメリカ、スウェーデンだそうです。

東京都も下水をサンプリングし始めたそうです。その分析方法が確立するまで、とりあえずは冷凍保存しておくらしいです。

集団感染を予測し、適切なコロナ対策を

社会的距離(social distancing)などの感染対策で、ここ数か月、各国は新型コロナウイルスと戦ってきました。そして、予防措置の規制が徐々に解除される方向に今世界は動いています。しかし、そのような対策が解除されるとウイルスは再発する可能性があります。

オランダの国立公衆衛生環境研究所(National Institute for Public Health and the Environment )の感染症研究者であるアナマリアデロダハスマン氏は、日常的な下水監視を非侵襲的な早期警告ツールとして使用して、COVID-19感染をその地域に警告することができると述べています。

Routine wastewater surveillance could be used as a non-invasive early-warning tool to alert communities to new COVID-19 infections.

ローザンヌのスイス連邦工科大学の環境ウイルス学者、タマールコーン氏は、「廃水中のウイルス粒子を追跡することで、公衆衛生当局は、封鎖などの措置を導入するかどうかを決定する上での最初の一歩を踏み出すことができる。下水からのウイルス検出は、どんな検査よりも先だってコロナを検出できるので非常に貴重な資料である。症状に気付いてからの検査では、下水からのウイルス察知よりも7〜10日は遅れてしまう。」と下水からのコロナウイルスの早期発見の意義を述べています。

下水からコロナ調べ集団感染規模を知る・現在の課題

しかし、現在ではコロナの規制のために休業している研究室も少なからずあることや、検査に必要な試薬が現在不足していることなどから、下水から新型コロナウイルスの地域の感染状況を知る研究は、今滞っている面があるというのも現実です。

また、糞便中にどれくらいのコロナウイルスが排出される(excret)のか推測できなけれ(extrapolate)できなければ、集団の中で何人くらいの人が感染しているのかという感染規模(scale of infection)推量 (quantify)することはできません。

 

下水はコロナ以外の感染症検出にも役立つ

下水をから感染症を知る取り組みは、何十年も前から行われてきたそうです。例えば、研究者たちは、下水からノロウイルス norovirus、抗生物質耐性菌(antibiotic-resistant bacteria)、ポリオウイルス(poliovirus)麻疹(measles)発生(outbreaks)検出(detect)してきています。

下水監視は、ポリオウイルスに対するワクチン接種キャンペーンの成功を評価するために何十年も使用されてきたと、アリゾナ大学ツーソン校の環境微生物学者(environmental microbiologist)であるチャールズジェルバ氏は述べています。



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