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Renault probes gift from Versailles chateau to ex-CEO Ghosn
『ルノーは、ベルサイユ宮殿からのゴーン元CEOへの贈り物を、徹底的に調べている。』
みなさんこんにちわ。カルロス・ゴーン氏が11月に金融商品取引法違反や日産に対する背任行為で逮捕・勾留されてからすでに、3か月近くがたちました。今回は、ルノーがカルロス・ゴーン氏の不正を指摘するというニュースです。今度の不正は、ゴーン氏のベルサイユ宮殿での結婚式。ゴーン氏は、ルノーの権限を使ってベルサイユ宮殿を無料で貸し切って自分の結婚披露宴を行ったようです。
詳しく見てみましょう。今日は、France 24 から取り上げています。
今日のSentence
Renault said Thursday it would inform investigators that its former chief Carlos Ghosn personally benefited from a corporate sponsorship deal.
The latest allegations concern Ghosn’s lavish marriage at the Chateau de Versailles outside Paris in October 2016.
According to a report in the Figaro newspaper, the operators of the palace waived the usual 50,000-euro ($57,000) fee for the reception at the 17th-century Grand Trianon complex as part of a sponsorship deal between Versailles and Renault.
The firm’s internal audits “identified that a contribution of 50,000 euros, under a sponsorship agreement signed with the Chateau de Versailles, was allocated to Mr. Ghosn’s personal benefit”, Renault said in its statement.
Vocabulary
investigator:事件や犯罪、科学的にわからない事などを調べて真実を見つける人のこと。使われる分野によって様々な日本語が当てはまります。例えば、「検察」「検査官」「捜査員」「研究者」など。ここでは、検察当局としました。
corporate sponsorship deal:コーポレイト・スポンサーシップ協定
corporate sponsorshipとは、企業が、ある団体やイベントに寄付をし、社会貢献するとともに、企業の知名度を上げたり、イメージをよくし、最終的に収益を上げることを目標に行うもの。
ここでのコーポレイト・スポンサーシップ協定とは、ルノーがベルサイユ宮殿に修理費として資金を寄付し、その見返りにルノーはベルサイユ宮殿を使用できる特権を得るという約束事。
allegation:申し立て
concern :【kənsə́ːrn】(コンサーン)【動詞】~に関係する・~を関与させる・主題となる 【名詞】関心事・懸案事項・利害関係
lavish:【lǽviʃ】(ラヴィッシュ)豪華な・ぜいたくな
Chateau de Versailles :ベルサイユ宮殿(ルイ14世が建てた宮殿・バロック建築の代表・有名な観光施設)
Figaro:フィガロ(フランス語:Le Figaro) は、フランスの日刊紙。1826年に発行され、フランスで最も古い歴史を持つ。
waive:【wéiv】(ウェイヴ):免除する・(権利を)放棄する
Grand Trianon :大トリアノン宮殿:ヴェルサイユ宮殿の北西部に位置するシャトー。ルイ14世と公妾であったフランソワーズ・アテナイスの隠れ家として用いられた。庭園が設けられており、その中に小トリアノン宮殿が建築されている。
complex:複合ビル
Renault:ルノー社=フランスの自動車製造会社。 ゴーン氏はルノー社のCEOであり会長でもあったが、日本での逮捕と拘留の長期化で現在はルノーから会長職を解任されている。ルノー・日産・三菱3社でパートナーシップ関係(ルノー・日産・三菱アライアンス)を結んでいる。3社連合では、自動車販売数が世界一である。
audit:【ɔ́ːdit】(オーディット)監査
internal audit:内部監査
allocat to~:~に割り当てる・計上する
Sentenceを分解して訳してみましょう
Renault said Thursday
it would inform investigators
that its former chief Carlos Ghosn personally benefited from a corporate sponsorship deal.
【英文訳】
ルノーは、前会長カルロスゴーン氏がコーポレイト・スポンサー協定から個人的に利益を得た事を、検察当局に知らせたと7日に言った。
The latest allegations concern
最近の申し立ては、関係する
Ghosn’s lavish marriage at the Chateau de Versailles outside Paris in October 2016.
2016年のパリ郊外のベルサイユ宮殿でのゴーン氏の豪華な結婚に。
According to a report in the Figaro newspaper,
フィガロ新聞の記事によると
the operators of the palace waived the usual 50,000-euro ($57,000) fee
ベルサイユ宮殿の管理者は、通常5万ユーロ(5万7千ドル)の料金を免除した
for the reception at the 17th-century Grand Trianon complex
17世紀のトリアノン宮殿で行われたゴーン氏の結構披露宴のために
as part of a sponsorship deal between Versailles and Renault.
ベルサイユ宮殿とルノーの間のスポンサーシップ協定の一環として
【英文訳】
最近の申し立ては、パリ郊外のベルサイユ宮殿でのゴーン氏の豪華な結婚に関係する。フィガロ新聞の記事によると、ベルサイユ宮殿の管理者は、ベルサイユ宮殿とルノー間のスポンサーシップ協定の一環として、17世紀のトリアノン宮殿で行われたゴーン氏の結構披露宴のために通常5万ユーロ(5万7千ドル)の料金を無料にしたとのこと。
The firm’s internal audits
“identified that a contribution of 50,000 euros, under a sponsorship agreement signed with the Chateau de Versailles,
was allocated to Mr. Ghosn’s personal benefit”,
Renault said in its statement.
【英文訳】
ルノーの内部監査で、5万ユーロのベルサイユ宮殿からの見返りは、ベルサイユ宮殿との間で結ばれたスポンサーシップ協定のもとでなされたのだが、ゴーン氏の個人的な利益に割り当てられていたことを確認したとルノーは述べた。
ルノーが訴えたゴーン氏の不正とは
ルノーは、検察当局に前会長カルロスゴーン氏のベルサイユ宮殿での結婚披露宴(wedding reception)について申し立てをすると言う。
ルノーとベルサイユ宮殿は、コーポレイト・スポンサーシップ協定を結んでいる。
ここでのコーポレイト・スポンサーシップ協定とは、具体的に、ルノーがベルサイユ宮殿に修理費(renovations)として230万ユーロ(約2億8千600万円)を寄付、その見返りとして、寄付額の25%に相当するベルサイユ宮殿使用の権限をルノーがもらうというもの。
カルロス・ゴーン氏は、そのコーポレイト・スポンサーシップ協定の特権を利用し、大トリアノン宮殿を無償で貸し切り、自身の2度目の結婚披露宴を行った。
大トリアノン宮殿の貸し切り代は、普通は、約5万ユーロ(約625万円)。
ルノーの内部監査(internal audit)では、ベルサイユ宮殿からの5万ユーロ相当の貸し切りの無償提供は、ルノーとベルサイユ宮殿とのコーポレイト・スポンサーシップ協定のもとで行われたが、ゴーン氏の個人的な利益に割り当てられていたことを確認したとのこと。
宮殿貸し切りの豪華すぎる披露宴
カルロス・ゴーン氏は、2016年の10月、新しい妻であるアメリカ人のキャロルさんの50歳の誕生日に、ベルサイユ宮殿の大トリアノン宮殿で豪勢な結婚式を挙げた。その結婚披露宴は、マリーアントワネットをテーマにし(Marie Antoinette-themed)、俳優を雇って18世紀風のコスチュームを着せるなど贅沢すぎる(extravagant)ものだった。
申し立て通りだとすると、ゴーン氏は、この披露宴会場借り切り代、約5万ユーロ(約625万円)を、ルノーの権限を使って、無料で使用できたという事になる。
ゴーン氏の反論
ゴーン氏が日本で逮捕、その後3つの罪で告訴(indictment)されてからは、ゴーン氏の欲深い(greedy)とされるライフスタイルが徹底的な調査(scrutiny)を受ける羽目となった。
AFPのインタビューで、ゴーン氏は、日産の彼に対する不正の告発は、『罠』”trap”、『たくらみ』”plot“、『裏切りのでっち上げだ』 “story of betrayal”と反論している。