ブリストルの街の画像

Europe

奴隷商人は英雄か?黒人差別反対で肖像撤去【英語ニュース】

イギリスで、奴隷商人の肖像が黒人差別反対運動によって倒されました。奴隷によって富を得た慈善者たちの記念碑が見直されています。

London Mayor Says Statues of Imperialists Could be Removed

『ロンドン市長は、帝国主義の肖像は撤去されるだろうと言った。』

今日は June 09, 2020 VOA NEWS の英語記事です。
「英語ニュースを読もう!」で、英語のニュースを読んで、単語を覚えたり長文読解したりしましょう。

今日の英語ニュース

英語が話せるようになる「アクエス」

More statues of imperialist figures could be removed from Britain’s streets, following the unauthorized felling of a monument to slave trader Edward Colston in the city of Bristol, the mayor of London said Tuesday.

Mayor Sadiq Khan said he was setting up a commission to ensure the city’s monuments reflected its diversity. The Commission for Diversity in the Public Realm will review statues, murals, street art, street names and other memorials and consider which legacies should be celebrated, the mayor’s office said.

オンライン英会話なので送り迎え不要【GLOBAL CROWN】

英語ニュースの単語の意味と解説

imperialist:【ˌɪˈmpɪri:ʌlɪst】(インリアリスト):帝国主義者

figure:(ィギュア)象:肖像・姿・象徴

unauthorized:【ʌnˈɔːθərὰɪzd】(ノゥサライズド)認定されてない・権限のない・公的に認可を受けていない

fell:fell – felled – felled – felling 【他動詞】木を切り倒す・何かを倒す

fall :fall – fell – fallen – falling【自動詞】下に落ちる・倒れる →fell とfallを混同しないように注意してください。

monument:【mάnjʊmənt】:記念碑

Edward Colstonエドワード・コルストン(1636~1721年)イギリスの商人・奴隷取引家・慈善家。イギリスのアフリカ奴隷貿易を独占していた王立アフリカ会社に加入し奴隷貿易で富を得る。奴隷貿易で得た資産を、ブリストル、ロンドンなどの学校、病院、救貧院、教会などに寄付する。彼の名は、ブリストルのランドマーク、通り、学校などに付けられ、「コルストンパン」というパンの名前にまでなっている。

今回のBlack Lives Matterの抗議活動により、6月7日にコルストン像は倒され、ブリストル湾に投げ込まれた。

 

Mayor Sadiq Khan:サディク・アマーン・カーン・ロンドン市長(1979年生まれ)2016年からロンドン市長。労働党

Sadiq_Khanロンドン市長の画像

Sadiq_Khanロンドン市長

set up:設置する・組成する・開始する

commission:委員会・政府などの公的機関から何かをするように委託された集団

ensure:確実にする

diversity:多様性

イギリス英語(ダイシティー) 【daɪ.vɜː(ɹ)s.ɪ.ti】

アメリカ英語(ディーシティ)【dɪvˈɚːsəṭi】

日本語では「ダイバーシティ」とよく言われると思います。

the Public Realm:公的分野

mural:壁画



英語ニュースを分解して訳してみましょう

More statues of imperialist figures could be removed from Britain’s streets,

多くの帝国主義者の肖像は、ブリストンストリートから、取り除かれるかもしれない

following the unauthorized felling of a monument to slave trader Edward Colston in the city of Bristol,

ブリストルの街にある奴隷商人エドワード・コルストンの記念碑が非公式に投げ倒されたことに続き

the mayor of London said Tuesday.

と、ロンドンの市長は6月9日に言った。

ハイブリット英会話スタイルで伸ばす「アクエス」

【英語ニュース訳1】

More statues of imperialist figures could be removed from Britain’s streets, following the unauthorized felling of a monument to slave trader Edward Colston in the city of Bristol, the mayor of London said Tuesday.

ブリストルの街にある奴隷商人エドワード・コルストンの記念碑が非公式に投げ倒されたことに続き、多くの帝国主義者の肖像は、ブリストンストリートから、取り除かれるかもしれないと、ロンドンの市長は6月9日に言った。

【英語ニュースの文法解説1】

following は分詞構文です。

More statues could be removed following the unauthorized felling で

「非公式な投げ倒しに続い、もっと多くの像は取り除かれるかもしれない。」と言う意味になります。

分詞構文~ing に続く文で、前の could be removed を修飾しています。

分詞構文については、こちらで詳しく説明しています。

【英語ニュースの文法解説2】

could=可能性を表す助動詞で「~かもしれない。」の意味になりますが、

「推測」や「可能性」の確信の強さは、

(弱)could → might → may → can → should → would → will → must(強)

となります。

助動詞については、こちらもご覧ください。

 


Mayor Sadiq Khan said he was setting up a commission

サディク・カーンロンドン市長は、委員会を立ち上げていると言った

to ensure the city’s monuments reflected its diversity.

ロンドンの記念碑がロンドンの多様性を反映しているかを確かめるために

The Commission for Diversity in the Public Realm

公的な場所での多様性のための委員会

will review statues, murals, street art, street names and other memorials

は、見直すだろう。像・壁画・ストリートアート・通りの名前やほかの記念碑を。

and consider which legacies should be celebrated, the mayor’s office said.

そして考えるだろう。どの伝説が選ばれるべきかを。と市当局は言った。



【英語ニュースの訳2】

Mayor Sadiq Khan said he was setting up a commission to ensure the city’s monuments reflected its diversity. The Commission for Diversity in the Public Realm will review statues, murals, street art, street names and other memorials and consider which legacies should be celebrated, the mayor’s office said.

サディク・カーン・ロンドン市長はロンドンの記念碑がロンドンの多様性を確実に反映するために、委員会を立ち上げていると言った。公的な場所の多様性への委員会は、像・壁画・ストリートアート・通りの名前やほかの記念碑を見直し、どの伝説が選ばれるべきかを考えるだろうと市の当局は言った。



英語ニュースによりますと

イギリスで奴隷商人の肖像が倒される

ブリストルの街にある奴隷商人エドワード・コルストンの記念碑がBlack Lives Matter の抗議で、投げ倒された。

ロンドンの英雄は奴隷商人だった

サディク・カーン・ロンドン市長は、多くの帝国主義者の肖像は、ブリストン・ストリートから、取り除かれる可能性があると言った。

ロンドンでは委員会を立ち上げ、公的な場での像・壁画・ストリートアート・通りの名前などの記念碑を見直し、どの伝説が多様性にふさわしいかを検討するとのこと。

「私たちの国と都市が、奴隷制度のおかげで富を得たのは真実であり、私たちはそのことを記念碑にしている。しかし、一方で、他の多くの人たちが、ロンドンに貢献をしてきたことは、故意に無視されてきた。」と市長は述べた。

“It is an uncomfortable truth that our nation and city owes a large part of its wealth to its role in the slave trade and while this is reflected in our public realm, the contribution of many of our communities to life in our capital has been willfully ignored.”

イギリス・ジョンソン首相の主張

多くのブリストル市民は、奴隷商人として富を築いたエドワード・コルストンの記念碑が倒されたことを歓迎している(welcome)。しかし、イギリス政府はこの行為を破壊行為(vandalism)とし、エドワード・コルストンの肖像を倒した者を加害者(perpetrators)として起訴する(prosecute) ことを警察に求めた。

イギリスのジョンソン首相は、「イギリスで人種差別があり、多くの人が差別を経験している『冷たい現実』”a cold reality”があると認める。偏見(prejudice )を取り除き、平等の機会(opportunity)を作ると約束する。」と言った。

また、ジョンソン首相は、警察に暴行を加え、公共の記念碑を冒涜(ぼうとく)した(desecrate)者は、法の裁きを受けるべきだ( face “the full force of the law.”)と言う。

 

英雄の肖像の他の場所でも見直されている

オックスフォード大学では、セシル・ローズ(Cecil Rhodes)の像の撤去が要求されている。セシル・ローズは、ビクトリア時代の帝国主義者(imperialist)で、鉱山で財を成し、オックスフォード大学のローズ奨学金制度(Rhodes scholarships)を設立した人物である。

“Rhodes, you’re next.”「ローズよ。次は君だ。」を掲げ、活動家たちは像を撤去するように訴える。

 

エジンバラ(Edinburgh)、スコットランド(Scotland)でも、 ヘンリー・ダンダス(Henry Dundas)の像の撤去が叫ばれている。ヘンリー・ダンダスは、18世紀の政治家で、イギリスの奴隷制度(slavery)廃止(abolition )を15年遅らせたとされる人物である。

エディンバラ市議会のアダムマクベイ氏は、「ダンダスの像​​が撤去されても、まったく喪失感はない」と語った。



 



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