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新型コロナウイルスと小児の川崎病との関連性【英語ニュース】

新型コロナウイルス感染症が世界中で最も拡大していると言われているニューヨーク。子供の新型コロナウイルス感染者の数も多いようです。

そんな中、新型コロナウイルス感染症になった子供に、川崎病の様な症状が出ているケースが報告されています。

川崎病とはどんな病気なのでしょうか?また、コロナウイルスとどんな関係があるのでしょうか?

まとめてみましたのでご覧ください。

2020年5月5日のニューヨーク・タイムズをもとにまとめています。




コロナで川崎病のような症状

新型コロナウイルス感染症が今世界で最も多いニューヨークでは、新型コロナウイルス感染症に感染していた15人の子供たちが、ニューヨーク市内の病院で、毒素性ショック(toxic shock )または川崎病(Kawasaki disease)と似たような症状で苦しんでいます。

川崎病とはどんな病気?

日本の川崎 富作 氏によって1967年に発表された病気で、主に乳幼児の発熱性の病気です。地名の川崎市とは関係ありません。

Kawasaki disease:川崎病

日本語の名前がそのまま英語にもなっています。



【川崎病の症状】

川崎病は、突然の高熱が数日続き、目や唇の充血、体の発疹(rash)、手足が赤くなる、首リンパ節の腫脹(swollen lymph nodes)、血管に炎症が起きる、など様々な症状を起こします。

発疹のイラスト

子供の発熱のイラスト

充血のイラスト

川崎病の特徴でもある血管の炎症は冠状動脈(coronary arteries)にも起こることがあり、川崎病は小児突然死の原因の一つにもなる病気です。

冠状動脈=心臓の筋肉などに血液を運ぶ動脈血管で、心臓の外側にある動脈です。=coronary artery

冠状動脈の図解

Coronary_arteries 冠状動脈

川崎病は、症状から名前をとって、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(英: MucoCutaneous Lymph-node Syndrome, MCLS)とも言われますが、世界的に「川崎病・Kawasaki disease (KD)」と呼ばれています。

【川崎病の原因】

川崎病の病因は不明です。

感染症説、自己免疫疾患説などがあるそうでが、未だ特定されていません。

川崎病はまだわかっていないことも多い小児の病気です。

また、日本は欧米などと比べると患者数は多いとされています。



コロナと川崎病との関連

ニューヨークの15人の子供の状態は

2020年5月5日のニューヨーク・タイムズによると、ニューヨーク市保健局の報告で、2歳から15歳の子供たちに川崎病に似た症状が出でいるとのことです。

ニューヨーク市の会報(bulletin)では、川崎病に似た症状がある15人の小児患者のうち、ほとんどがコロナウイルス陽性、または抗体検査で以前に感染した可能性が高いとのことです。

川崎病のような症状の15人の子供たちには、発熱(ferevr)発疹(rash)嘔吐(vomiting) 、または下痢(diarrhea)を患っていたということです。

入院後、そのうち5人は人工呼吸器(mechanical ventilator)を使用しています。

「コロナと川崎病の全体像(spectrum)はまだはっきりとわかっていない。」とニューヨーク市は報告しています。

コロナウイルスと戦う女性のイラスト

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ヨーロッパでもコロナにかかった子供に川崎病のような症状が

COVID19にかかった子供に、血管の炎症を伴う川崎病のような症状がみられることは、ヨーロッパのいくつかの国でも数十件ほど報告されています。

いずれも、死亡は記録されておらず、子供たちの多くはコロナウイルス陽性でしたが、そうでない子供もいました。

イタリア

イタリア北部の町、新型コロナウイルス発生のホットスポットであるベルガモでは、1つの病院で4月だけで20例に血管の炎症と川崎病のような症状が発生しました。

パリ

パリの4つの病院で、20人の子供が炎症性心疾患で入院しています。

イギリス

川崎病に似た血管の炎症がある12人以上の子供が集中治療を受けています。

スペイン

スペインは全国で数十の川崎病に似た子供の血管炎症を記録しています。

スイスとベルギーでも報告がありました。

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医師たちの見解

新型コロナウイルスと川崎病との関連性は?ー

新型コロナウイルスの感染症で、比較的若い人たちに血栓

新型コロナウイルス感染症で、若い人たちが脳梗塞や心筋梗塞を発症し亡くなるケースが相次いでいる報告が各地で見つかっています。

ニューヨーク州の保健委員であるザッカー博士は、ウイルスが血管の内側を含む様々な臓器を攻撃し、若い患者に毒性ショック(toxic shock)や血管の炎症(inflammation )血栓(clot)を作っているのではないかとの見解を示しています。

血栓のイラスト

小児の血管炎症はCovid-19の合併症ではないか

小児のコロナ感染症のケースで川崎病のような症状が出ているのは、コロナウイルスが血管の内側に作用し、血管の炎症(inflammation )を起こしているからではないかというのが専門家たちの見方です。

また、ザッカー博士は、国際オンラインセミナー(webinar)で、他国の専門家へ、コロナ感染症の子供の川崎病に似たケースについて情報交換しました。

ザッカー博士は、
「私たちは、小児の血管炎症は、Covid-19に関連する合併症(complication)であると考えている。」と言い、症例について更なる調査、追跡を行っています。

市の保健局長であるオクシリスバーボット博士は、「川崎病に似た症候群とCovid-19の関係はまだ定義されておらず、これらの症例のすべての子供がDNA検査(DNA test)血清学(serology)で新型コロナウイルスに感染していると証明されたわけではない。さらなる調査・研究のためにも、私たちが概説した基準(criteria)を満たす患者を見つけたら、すぐに私たちに連絡してほしい。」として今後も川崎病に似た症例についてさらなる調査をしていく予定です。

コロナウイルスのイラスト



子供たちが注意することは?

小児科医は、子供たちが高熱、発疹、または胃の痛みを持っている場合は、すぐに医者に電話するよう注意喚起しています。

結膜炎(conjunctivitis)目の炎症(inflammation of the eye)リンパ節の腫れ(swollen lymph nodes)も川崎病の症状で、これらの症状にも注意が必要だとのことです。

また、現在報告されている症例は、重症例のみで、認識されていない軽いケースも潜在的にあるのではないかとみています。

パンデミックのため、子供を病院に連れて行けないと心配の親御さんもいるでしょう。しかし、このような全身の血管の炎症を疑うような場合は緊急を要するので、すぐに病院に相談することが、アメリカでは勧められています。

具合の悪い赤ちゃんを抱いて病院に連絡している母親のイラスト

学校は再開していいの?

新型コロナウイルスによるロックダウンを解除しようとしている国や地域がたくさんありますが、医療専門家は、この小児に起こっている川崎病に似た症状は非常にまれなケースであるので、そのことを考慮して休校を継続する必要はない、学校は開校していいとの見解です。

学校で生徒たちが勉強しているイラスト

※5月9日、先ほどニュースでニューヨークでコロナウイルスに感染した子供が2人亡くなったそうです。5歳と7歳の子で川崎病のような症状が出ていたとのことです。




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