アメリカンフットボール

Japan

ニューヨーク・タイムズが伝える日本の文化|アメフトタックル問題

The Football Hit Felt All Over Japan

フットボールの衝撃が日本中を駆け巡る

 

皆さんこんにちわ😊ご機嫌いかかですか。

今日は日本の話題を海外のメディアを通して見てみましょう。

日本大学アメリカンフットボールの危険タックル問題。学生が相手チーム選手を悪質な違反タックルでけがをさせてしまい、その様子がビデオを通じて多くの人の目に触れることになりました。その後の会見で、タックルをした選手が「タックルをしてけがをさせるように指示をされて、追い詰められて行ってしまった。」と会見で話し、驚きとともに、さらに日本中の関心の的となりました。また、監督・コーチ側は「指示はしていない。」と主張しており、この問題は、あらゆる方面を巻き込んだ収束できそうにない問題に発展しています。

今日は、この件について海外メディアではどう報道しているのかを見てみたいと思います。ニューヨークタイムズ The New York Times から引用しました。

また、この問題がどうしてこんなにも大きくなったのか、日本特有の文化に触れているところがあったので、抜粋してみました。

ニューヨーク・タイムズ 2018.5.23より

 

Sentence 1

The violent hit to the defenseless quarterback came from behind, after the first play of a game between two storied college football teams. Ordinarily, the illegal tackle would have simply drawn a severe penalty.

storied(スーリード):話の中で語られた、有名な、よく知られた、伝説の

 例)the rock star’s storied careerロックスターの伝説の経歴

drawn=drawの過去分詞

 draw-drew-drawn (ドー・ドュー・ドーン)

(ここでは)幕を引く。

sentence 1は、一文が長いので、適当なところで分解して意味をつかんでいきましょう。英文が難しい時は、ちょっとづつ区切ってゆっくりと読むとわかりやすいですよ。

🐷Sentence 1を分解してみましょう🐷

The violent hit to the defenseless quarterback came from behind, 無防備なクオーターバックへの攻撃的な衝突は、後ろから来た。

after the first play of a game 試合の初めのプレイの後で

between two storied college football teams. (そのゲームと言うのは)2つの伝説の大学のフットボールティーム間の

Ordinarily, the illegal tackle would have simply drawn a severe penalty. 普通なら、その反則タックルは単に厳しいペナルティーで幕を引いただろう。

⬇⬇⬇

無防備なクオーターバックへの攻撃的なタックルは、伝統ある二大学のフットボールチームの試合の初めのプレイの後、背後から来た。普通なら、その反則タックルは単に厳しいペナルティーで幕を引いただろう。

 

Sentence 2

次には、試合中の違反タックルが社会的な大問題になった背景を、日本特有の文化から考察しています。

But it happened in Japan, where the play — and what led to it — has touched off nationwide examination of deep-rooted cultural dynamics, including what the Japanese call “power hara,” or harassment by those in power who force underlings to do things against their will.

lead to :(lead-let-let): 結果につながる、につながる

touch off:(ッチャォフ)発射させる、誘発する、引き起こす

dynamics:(ダイミクス)動向・特性

underling:(ンダーリング):部下

examination:(エグザミイション):試験 調査 精査

examinationといえばまず思いつくのが「試験」。この文章でも has touched off nationwide examination「国中の試験を引き起こした。」でも意味はなんとなくわかります。でも日本語的にはちょっと変な表現になってしまします。

オックスフォード現代英英辞典では、examinationの意味の一つに、「何かをよく見る事。特に何か間違ったことがないか、またその問題の原因を調べるためによく見ること。」とあります。よって、ここでは、 nationwide examinationを「国民が考える」として訳してみました。

しかし、それ(試合中の違反タックルが社会問題まで発展していること)は、日本で起きたのだが、要するに試合が行われたのは日本で、ーそして、日本で起きたことがこの問題を大きくしたのだがー日本の根深い文化的特性を国民が考えるきっかけとなった。その文化的特性とは、日本人が「パワハラ」と言っている、つまり、「権力を持っている者が、部下の意志に反して無理やり押しつける嫌がらせの事である。

この文は、訳すのが難しかったです。😂なんかちょっとわかりにくい文章ですが、要するに、「この問題は、アメリカンフットボールの違反だけでなく、上からの命令には絶対に従わなければならないという日本の根強い文化について、国民が考えるきっかけになった。」ということが書かれています。

 

sentence 3

・・・this incident has highlighted “power hara” and the obedience to authority and unwavering loyalty to the team that are highly valued in Japan.

unwavering:(アンェイヴリング)動揺しない、確固とした

loyalty:(イヤルティ)忠実、忠誠心

この事件は、「パワハラ」と、日本で非常に重んじられる権力への従順とチームへのゆるぎない忠誠心に焦点を当てた。

 

また、記事では、この問題がいかに大きな問題になっているのかについて、被害者側の親が刑事告発したこと、日大教職員がしっかりした調査を求める声明を出したこと、相手方の関西学園が日本大学の反応について憤慨した事、スポーツ省も調査に乗り出していることなどをあげて、今、日本大学が世間からどのように見られているのか次のように書いていました。

Sentence 4

Amid the controversy, other football teams canceled their upcoming games with Nihon, turning the school into something of a pariah

pariah:(パイア)社会的のけ者

この論争の中で、他のフットボールチームは次の日本大学との試合をキャンセルし、日本大学はある種社会の中で四面楚歌になっている。

🐶そう言えば🐶

このアメフト問題、大きな問題になり、かつ長引いています。どうしてここまで、人々の関心の的になったのでしょうか。

この記事にもあるように、日本の根強い文化『上からの命令の従順』『嫌だと言えないし言ってはいけない』に皆が疑問を持ってきているという事があるかもしれません。また、上からの圧力で苦しんでいる人も多く、関心を持たざるを得ないことが背景にあるのではないかと思います。

権力を持っている者が「下の立場」「弱い者」を力で動かし、また問題になったら、部下のせいにして、自分は知らんぷりと言う構図は、アメフトだけではなく国会、会社などでもありで、なんだか閉塞感が蔓延しています。

そのなかで、一人で会見し反省し正直に具体的な説明をした学生の姿には、学ぶものがあると感じました。

メディアであれほど大きく報じられ、日本大学の学生の皆さんは気落ちしているかもしれません。でも、ご自身たちが今まで大学で頑張ってこられた勉強やスポーツなどにどうぞ自身を持って、胸を張って頂きたいと思います。頑張れ!日本大学の学生の皆さん。応援しています。!!



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