新型コロナウイルス感染拡大による経済打撃がどのくらいだったか、日本銀行が出す短期経済観測調査で明らかになりました。経済に関する英単語がたくさん出てきます。さっそく記事を見てみましょう。
NHK-world Japan より
今日の英語ニュース
The Bank of Japan’s latest Tankan survey is painting a dire picture of an economy shattered by the coronavirus outbreak. Among large manufacturers, confidence is the lowest level it has been in more than a decade.
Conditions for the shipbuilding, heavy machinery, and motor vehicle industries are especially bleak. That’s due to a sharp drop in exports and production in April and May when Japan was under a state of emergency.
Vocabulary
Tankan:「 短観」=tanki keizai kansoku chōsa =「企業短期経済観測調査」の略
日本銀行が四半期ごとに公表する経済統計調査。日銀短観(にちぎんたんかん)または短観(たんかん)の名で知られ、海外においても”Tankan”で通じる。日本の経済状態を測る手がかりとして国内外の市場関係者から注目を集め、株価や為替レートなどに大きな影響を及ぼす。
dire:【dάɪɚ】(ダイア):恐ろしい・悲惨な
shattered:【ˈʃætɝd】(シャタード):粉々く砕けた・荒廃した・くたくたに疲れた
confidence :信用・確固とした見込みがある状態
shipbuilding:造船業
heavy machinery:重工業
motor vehicle industries:車産業
bleak:【blíːk】(ブリーク):厳しい、わびしい
a state of emergency:緊急事態宣
英語ニュースを分解して訳してみましょう
The Bank of Japan’s latest Tankan survey
日本銀行の最近の「短観」の調査は、
is painting a dire picture of an economy shattered
経済的荒廃のわびしい絵を描いている
by the coronavirus outbreak.
コロナウイルスの流行によって。
Among large manufacturers,
大きな製造業において
confidence is the lowest level it has been in more than a decade.
信用は最も低いレベルである。10年以上の中で。
The Bank of Japan’s latest Tankan survey is painting a dire picture of an economy shattered by the coronavirus outbreak. Among large manufacturers, confidence is the lowest level it has been in more than a decade.
【英語訳】
日本銀行の最近の「短観」の調査は、コロナウイルスの流行によって経済的荒廃のわびしい絵を描いている。大きな製造業における信用は、ここ10年来で最も低いレベルである。
Conditions for the shipbuilding,
heavy machinery,
and motor vehicle industries are especially bleak.
That’s due to a sharp drop
in exports and production in April and May
when Japan was under a state of emergency.
【英文訳】
製造業、重工業、自動車業は特に厳しい。これは、日本が緊急事態宣言下であった4月と5月の輸出と製造の急激な落ち込みからである。
予想を上回る日本経済の落ち込み
大手メーカでDIの大きな落ち込み
短観(Tankan )は、日本で主要な経済指標となる四半期調査(a quarterly poll)である。今回、短観は6月に約10,000社が調査された。
大手メーカーの業況判断DI(diffusion index)は、3月のマイナス8からマイナス34に悪化。これは、世界的な金融危機(the global financial crisis)で経済が急落した(plummet) 2009年3月に続いて、記録上2番目に大きい落ち込みである。
造船、重機、自動車業界の状況は特に厳しく(bleak)、日本が緊急事態宣言下(under a state of emergency)だった4月と5月に輸出と生産が世界的な需要の急減で大幅に減少したのが原因である。
自動車業のID(diffusion index)はマイナス17からマイナス72に急落。日本の主要自動車メーカーは、新型コロナウイルスの大流行で、工場が閉鎖され、5月の需要は61%減少。
観光業のDIは最も落ち込んでいる
また、新型コロナウイルスの影響で観光業界(tourism industry)にも大きな打撃があり、ホテルおよびレストラン部門のID(diffusion index)はマイナス59からマイナス91に下落。
日本は依然として100を超える国や地域からの人々の入国を拒否している。5月にホテルや他の宿泊施設(accommodation )に滞在した人はわずか780万人であるとのこと。これは、前年比で84.8%の減少。
中小企業のDIはさらなる苦境
日本は 5月25日に緊急事態宣言が解除されて以降、経済活動が戻っている(claw back)。しかし、特に中小企業は悲観的な見方(pessimistic)をしており、中規模の製造業者は、9月の次の短観調査で、現在のマイナス36からマイナス41にさらに下がると予測している(predict )。
バークレイズ証券ジャパンの調査責任者である山川哲史氏は、日本銀行(BOJ )と政府が3月から導入した対策は重要である(significant)と述べているが、これらの対策の規模と中小企業(SMEs)の受けた衝撃にはかなり大きなギャップ(a fairly significant gap) があると言う。
山川氏によると、最新の調査によると、労働市場は予想をはるかに下回って悪化しており、「雇用面ではかなり大きな危機」が示されていると述べた。
経済関係の略語
Tankan:=短観=企業短期経済観測調査
DI:Diffusion Index:=企業の業況感や設備、雇用人員の過不足などの各種判断を指数化したもの。業況判断。短観の中で使われる。
BOJ: Bank of Japan=日本銀行
SMEs:Small and medium-sized enterprises=中小企業