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伝統的な「男らしさ」は男性を苦しめる

‘Traditional masculinity’ and mental health: Experts call for gendered approach to treatment

『伝統的な男らしさとメンタルヘルス:専門家は治療に男性特有のアプローチを求める』

 

「男らしい」「勇気がある」「強い」「勇ましい」などの男性に対する固定概念は、男性を苦しめ、精神的にも身体的にもよくないという研究結果が近年出てきているようです。また、男性は『男らしく』なくてはいけないという固定概念で、自分が困ったときにもじっと我慢し、SOSをなかなか出さないと言う研究結果も。

そこで、心理カウンセリングのガイドラインが、その様な男性の苦しみに配慮し、改正されたそうです。

詳しく記事を見てみましょう。

5. February 2019 ABC NWES より

今日のSentence

The APA guidelines, which say that “traditional masculine ideology has been shown to limit males’ psychological development … and negatively influence mental health”, were designed to provide psychologists with an “evidence-based approach” for responding to the particular needs of boys and men.

“Traits of so-called ‘traditional masculinity’, like suppressing emotions and masking distress, often start early in life and have been linked to less willingness by boys and men to seek help, more risk-taking and aggression — possibly harming themselves and those with whom they interact.”

単語・訳・解説

The APA guidelines,

which say that

“traditional masculine ideology has been shown to limit males’ psychological development … and negatively influence mental health”,

were designed to provide psychologists with an “evidence-based approach”

for responding to the particular needs of boys and men.

【vocabulary】

APA:American Psychological Assosiation:アメリカ心理学会=アメリカの心理学分野の職能団体として代表的な学会。設立当初は心理学の研究が中心であったが、近年では臨床心理士やスクールカウンセラーなどの心理学を使う職業人の会員も多い。

masculine:【mˈæskjʊlɪn】(スキュリン):男らしさ・男性の特徴と見られているたくましさ、勇ましさ、強さなど

ideology:【ʌɪdɪˈɒlədʒi】(アイィオロジー):その人やある団体の基本となる考え方、世界観、、価値、信条。

be designed to ~:~するように作られて(・考案されて・工夫されて)いる・~することを目的とするものである

psychologist:【saikɑ́lədʒist】(サイロジスト):心理学者

provide A with B ~:AにBを与える


【解説】

長文読解のコツ1

カンマとカンマで囲まれた部分は、とりあえず無視

この文を見ると文が長くて、やっかいな気がします。文が長くて、わかりにくいなと思ったら、文をなるべくシンプルにとらえることがコツの一つです。シンプルにとらえる最も簡単な方法は、「補足的な部分は読まない」ことです。

この文には、カンマとカンマで囲まれた部分(青の部分)があります。まずは、青の部分を無視して読んでみてください。

すると、The APA guidelines were designed to provide psychologists with an “evidence-based approach” 「APAのガイドラインは、心理学者たちに証拠に基づいたアプローチを提供するよう作成された。」と言う意味が分かります。

文の大枠の意味が分かったところで、青の部分を見てみると、青の部分は、APAが「言った内容」が書かれていることがわかります。


【英文訳】

The APA guidelines, which say that “traditional masculine ideology has been shown to limit males’ psychological development … and negatively influence mental health”, were designed to provide psychologists with an “evidence-based approach” for responding to the particular needs of boys and men.

アメリカ心理学協会のガイドラインは、『強くて、たくましくて、勇敢であるべきだという伝統的な男性らしさは、男性の精神的な発達を妨げ、心の健康に悪影響を与えてきた』と報告している。また、そのガイドラインは、少年や成人男性に対して必要で、証拠に基づいたアプローチを心理学者に提供する事を目的に作成された。

 


“Traits of so-called ‘traditional masculinity’, like suppressing emotions and masking distress,

often start early in life

and have been linked to

less willingness by boys and men to seek help, (A)

more risk-taking (B)

and

aggression — possibly harming themselves and those with whom they interact.” (C)


【解説】

※ここでもコンマとコンマで囲まれた部分(青の部分)は、とりあえず無視して読むとわかりやすいです。ここの青の部分は、前の名詞’traditional masculinity’(伝統的な男らしさ)について具体的に説明しています。

長文読解のコツ2

and は、何と何をつなげているのかに注意

まずは、be linked to ~の意味ですが、be linked to ~=「~に関連する」です。

ここでは、be linked to ~の「~」の部分が3つ挙げられています。

(A)男性は助けを求めることをためらいがち

(B)より危険なことに向かう

(C)攻撃的だ―たぶん自分自身やかかわりのある人に対して

以上の3点が、伝統的な男性らしさと関連していると言う意味になります。

3つの事を並べて書くときには、A, B and C と言う書き方をします。


【Vocabulary】

trait:【tréɪ】(トイト):特徴・特性 人の性格

so-called:いわゆる

suppress:抑制する

emotion:感情 ※可算名詞であることに注意。

mask:【mǽsk】(スク):覆い隠す

distress:【distrés】(ディストス):悩み・苦悩・悲しみ

【英文訳】

“Traits of so-called ‘traditional masculinity’, like suppressing emotions and masking distress, often start early in life and have been linked to less willingness by boys and men to seek help, more risk-taking and aggression — possibly harming themselves and those with whom they interact.”

感情を抑えることや苦悩を覆い隠すようないわゆる『男性らしさ』の性格は、しばしば人生の初期で始まることが多く、男子が助けを求めることに消極的だったり、危険をかえりみなかったり、攻撃的になったりーそれはたぶん自分自身を傷つけたり関係のある人達を傷つけたりなどーのことに関連する。

「男らしさ」が男性を苦しめる

男性らしさと言う概念(masculine ideology)が、男性たちを苦しめている」そんな研究結果を反映し、アメリカ心理学協会のガイドラインが改訂された。

この改定は、昨年の8月に出されたものであるが、アメリカ心理学協会(APA)が今回1月にツイッターなどでその考えを広めたため、世間で話題になっている。

SNSでも話題になっていて、もちろん、保守的なアメリカのメディアからの批判的なコメントも受けている。

男だってつらいよ

オーストラリアの心理学協会(APS)は2012年から、男性のメンタルヘルスの『静かな危機』に注目してきた。

レッドランズ大学(University of Redlands)の心理学者フレドリック氏によると、男性は女性に比べ自殺が多く、心臓病(cardiovascular disease)が多い、年を取ると孤独になりやすい傾向があるとのこと。

また、オーストラリアでは、男性は、同年代の女性に比べて、より自殺しやすく 生活習慣病(lifestyle-related chronic health conditions)にかかる傾向があると言う。

マイノリティーへのカウンセリングは進歩したが、男性は『強いはず』としてかたづけられていた

記事によると、人種的なマイノリティー、LGBTの様な性的マイノリティー、女性からの相談に対するアプローチは発展してきたが、歴史的に標準(norm)な存在とみられてきた男性については、ほとんど置いてけぼりで、男性の悩みに対するアプローチは何も策が講じられていなかったと言う。

また、『男らしい』『強い』『勇気がある』などの概念が、男性に弱音を吐きにくくさせ、問題を見えにくくしてきた面もある。

男性であることに配慮した精神的な支え

レッドランド大学(University of Redlands)の心理学者フレドリック氏によると、心理学の専門家たちの新たなガイドラインは、男子たちを幸せで健康な生活に導く手助けをするのが目的だと言う。

フレドリック氏は、「私たちは、男性の感情のレパートリー(emotional repertoire)を広げようとしている。男性の持つ多様な心理に目を向けることで、男性をサポートする事が大切だ。」とのこと。

『男性らしさ』に苦しめられている男性に対して、「ジェンダーに配慮したアプローチ」(gender-sensitive approach)が必要である。実は、「男性だからこそ必要な配慮」については、1990年代半ば( mid-1990s)ごろから認識されているのだと言う。一辺倒の『男性らしさ』への押しつけではなく、男性の多様な感情に対する精神的アプローチがもっと早くになされるべきだったのかもしれない。



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