Europe

EUの離脱案は議会からNO・メイ首相どうすればいい?

Brexit in turmoil as UK’s May pulls vote to seek changes to EU divorce

『イギリスのメイ首相、EU離脱案への修正を求めるため議会採決を見送る。イギリスEU離脱は混乱の中へ』

みなさんこんにちわ。イギリス議会は、EU離脱案の批准についてまとまらずもめているようです。その背景などをなるべくわかりやすく解説しました。記事は、Reutersより抜粋しています。

DECEMBER 10, 2018 Reuters より

イギリス議会・EU離脱条項否決

EU離脱・北アイルランドの国境問題で延期?

今日のSentence

British Prime Minister Theresa May on Monday postponed a parliamentary vote on her Brexit deal to seek more concessions but the European Union refused to renegotiate and lawmakers doubted her chances of winning big changes.

With her position in jeopardy, May said she would now go back to the EU and seek reassurances over the so-called Irish “backstop”, an insurance policy to ensure no return to a hard border on the island of Ireland.

She questioned whether parliament was trying to frustrate the democratic will of Britons to leave the EU and warned that without agreement the world’s fifth largest economy would leave on March 29 without a deal.

Vocabulary

Theresa May:テリーザ・メイイギリスの76代目首相(1959年生)保守党党首

2016年6月の「EU離脱を問う国民投票」で離脱派が勝利し、当時の首相デーヴィッド・キャメロン氏が辞任。その後継者としてメイ氏がイギリス首相になる。メイ首相自身は、国民投票では「EU残留」に投票したとのこと。EU離脱については、「国民投票の結果を受けEU離脱を遂行させる。」と言明。EU離脱交渉では、「人の移動の自由の制限とサービス・財の貿易の両方を可能な限り要求していく。」と述べる。

parliamentary vote:議会採決

Brexit deal:欧州連合(EU)離脱案

concession:【kənˈsɛʃ(ə)n】(コンッション):譲歩

renegotiate:【riːnɪˈɡəʊʃɪeɪt】(リニシエイト):再交渉する

lawmaker:議員・議会

jeopardy:【dʒépɚdi】(オパディー):危険

reassurances:【rìːəʃˈʊ(ə)rəns】(リァュワランス):安心材料・元気づけ・自信・安心感・再保証・再保険

backstop:テニス野球などのバックネット・補強・支え

backstop=ここでは、アイルランドとイギリスの北アイルランドにできる国境線(地図参照)についての取り扱いのこと。イギリスEU脱退で、最も問題になっている。

イギリスは、EUの単一市場と関税同盟からの離脱を提案。そうすると、アイルランド島のアイルランドとイギリスとの間で物品を移動する際に税関審査、基準審査などが必要になる( a hard border on the island of Ireland)。しかし、アイルランドと北アイルランド間では、現在人やモノが自由に行き来している。この状態を続けること(no hard border)が人々にとってとても大事。そこでEU離脱協定合意案には、アイルランド島内での国境管理を不要にするbackstop=バックストップ(安全策)条項」が盛り込まれている。

現段階のbackstop=バックストップ(安全策)条項案は、「国境線を回避する他の方法が見つかるまでイギリスはEUの関税同盟内にとどまる」となっている。

frustrate:【frˈʌstreɪt】(ラストレイト):挫折(ざせつ)させる、失敗させる、(…を)妨げる、くじく、負かす、挫折感を起こさせる

Sentenceを分解して訳してみましょう

British Prime Minister Theresa May on Monday

イギリスのテレサ・メイ首相は月曜日に

postponed a parliamentary vote on her Brexit deal

EU離脱案の議会採決を延期した。

to seek more concessions

もっと多くの譲歩を求めるために。

but the European Union refused to renegotiate

しかし、ヨーロッパ連合は、再交渉を断った。

and lawmakers doubted her chances of winning big changes.

そして、イギリス議会は、メイ首相が(離脱案に)大きな修正を勝ち取るチャンスを疑った。

【英文訳】

イギリスのテレサ・メイ首相は月曜日にEU離脱案の議会採決を延期した。メイ首相はもっと多くの譲歩をEUに求めたかったが、EUは再交渉を断った。そして、イギリス議会は、メイ首相がEUに対し離脱案に大きな修正を認めさせることはできないだろうと思った。


With her position in jeopardy,

窮地に陥ったメイ首相は

May said she would now go back to the EU

EUに戻って、

and seek reassurances over the so-called Irish “backstop”,

いわゆるアイルランドの『バックストップ(安全策)』について安心材料を求める

an insurance policy

バックストップとは、安全策の事だが、

to ensure no return to a hard border on the island of Ireland.

アイルランド島の厳しい国境に、もどらないことを確かにする為の。

【英語訳】

窮地に陥ったメイ首相は、EUに戻って、いわゆるアイルランドの『バックストップ』(すなわちアイルランド島における厳しい国境管理にもどらない為の安全策)について安心材料を求めると言った。


She questioned

彼女は、質問した。

whether parliament was trying to frustrate

議会は挫折させようとしているのかと。

the democratic will of Britons to leave the EU

イギリス国民のEUを離れると言う民主的な意志を。

and warned that without agreement

そして、警告した。同意なしでは、

the world’s fifth largest economy would leave on March 29 without a deal.

この世界で5番目に大きな経済(イギリス)は、3月29日に同意ないままで去りますよ。と。

【英語訳】

彼女は、議会はイギリス国民のEUを離れると言う民主的な意思を挫折させようとしているのかと議会に問うた。そして、賛成しなければ世界で5番目に大きな経済のイギリスは3月29日に同意ないままでEUを去ることになると警告した。

記事の背景

◇イギリスがEU離脱を決めてから

2016年イギリスの国民投票で、イギリスがEUを離脱することが決定しました。

その後、EUとイギリスで、どのような手順でイギリスがEUを離脱していくのか、また、イギリスがEUを離脱した後に、EUとイギリスはどのような関係を保っていくのかなどについて、メイ首相とEU側は18ケ月も話し合いを続けてきました。

その結果、EUとメイ首相の同意の元、585ページに渡る『イギリスの撤退条項』(Britain’s 585-page withdrawal deal)が作成されました。

今回の記事では、メイ首相がその『撤退条項』をイギリス議会にかけ、批准を問うたのですが、イギリス議会は、EUが示した『撤退条項』に納得でませんでした。議会での批准が見込めないと判断したメイ首相は、批准についての採決をせずに、議会を終わらせたと言う記事です。

批准(ひじゅん)とは

条約を成立させるために必要な手順の一つです。条約とは、様々な国が集まり決めた「国どうしの約束」です。国の代表が海外の話し合いで決めた「条約」に、国内の人は納得できるのかが問われます。「条約」は、国内に持ち帰えって、議会で、その条約を国として守っていけるのかを検討されます。その時、国内にいる代表者(議会など)が、「条約」に「OK」を出すことを批准と言います。批准されたら、条約は正式に成立します。

ここでは、批准の事をparliamentary vote on her Brexit deal=「イギリスEU離脱条項についての議会の投票」と表現しています。

記事によりますと

EU側の反応

18か月にも及ぶEUとの紆余曲折の交渉(tortuous negotiations)で決まった条項(agreement)だが、イギリス議会は、それに納得できず、批准が見込めない状態と判断したメイ首相は、採決を引き延ばした。

EUの欧州理事会の議長 ドナルド・トゥスク氏(European Council President Donald Tusk )は、「アイルランドのバックストップについてこれ以上交渉する気はない。時間が迫る中で(As time is running out)、我々は、同意なき離脱のシナリオ(no-deal scenario)について話し合う準備がある」と冷たい反応だ。EUの27か国は、イギリス議会が納得できる提案をする様子はない。

EU側は、『イギリスの撤退条項』(Britain’s 585-page withdrawal deal)修正する(amend)気はないと、ドイツの外相(Foreign Minister )Heiko Maas氏は言い、アイルランドの首相レオ・バラッカー氏(Irish Prime Minister Leo Varadkar)は、同意なき離脱(a no-deal Brexit)準備(preparations)の可能性はますます高まっている(intensify)と述べた。

イギリス議会の声

メイ首相を応援している北アイルランド党(Northern Irish party) は、「バックストップをすべてやめて(ditch)しまえ。」と言い、民主統一党( Democratic Unionist Party)は「バックストップは、北アイルランドをイギリス本土よりもEU寄りにする。」と反論している。

同意なき離脱になると

合意なき離脱(no-deal Brexit) の元では、税関検査(customs checks )により、港を遮断し( blocking ports )、貿易に打撃を与える。

メイ首相は、「同意なき脱退を避けるためには、条項を持ちそれに賛成する事(agree a deal)」と議会に訴えている。

そう言えば

このままEU側とイギリスの話がまとまらなければ、最悪のシナリオと言われている『同意なき離脱』の懸念も出てきます。そうなると細かい具体的ルールが決まらないままに、いきなり、物・人・サービス・お金などの流れが、関税などのためにこれまでと変わることになり、お商売をしている人たちが、大混乱に陥ってしまう、経済が混乱すると言うわけです。

12月12日、イギリス議会はメイ首相について、不信任投票をしましたが、結果メイ氏は信任されたそうです。



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